【上海摩天楼】杭州市、独自に厳格基準 環境技術 日本に商機(産経新聞)
今、気になっていることは「」ですがこんなニュースがあります。
古くから「上有天堂、下有蘇杭(天に天国あり、地に蘇州と杭州あり)」と謳(うた)われてきた中国きっての名勝、浙江省杭州市の環境行政が注目されている。
国家基準を上回る厳格な市独自の環境保全基準を設け、市の環境保護局に法執行の捜査権も与えて違法な汚染行為の取り締まりに乗り出しているからだ。
唐の詩人、白楽天(はくらくてん)や宋の詩人、蘇東坡(そとうば)が愛(め)でた市内の「西湖(せいこ)」が、経済成長とともに増大した工場排水で水質汚染にさらされた苦い経験が出発点となっている。
(杭州=中国浙江省 河崎真澄)
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「汚染行為を摘発する法執行の権限を制服で(違反者に)識別させる必要がある」。
杭州市の何栄坤(か・えいこん)・環境保護局長は、副局長以上に与えられたという捜査用の制服を着てインタビューに応じ、「環境捜査官」としての権限を説明した。
同局は独自調査や市民からの通報を受け、汚染物質を垂れ流している工場などに立ち入り調査し、摘発することができる。
逮捕権はないが、同局からの報告をもとに公安部門が違反者を拘束する法案の準備が進んでいるという。
最近のケースでは、メッキ工場が夜中に工場排水を川に流しているとの住民の通報で、何局長らが現場に踏み込んで証拠をつかみ、最後はこの工場を廃業に追い込んだ。
杭州市の環境保護策のベースでもある西湖の水質保全は徹底している。
排水管理のできない屋台の出店は湖畔では禁止され、観光用に湖水に浮かぶ船に燃料を使うエンジンは厳禁だ。
環境行政とはいえ中国ならではの「強権発動」もある。
西湖の近くにあった電子機器やプラスチックなどの工場を数年ですべて強制的に立ち退かせ、その跡地に進出したレストランや観光施設なども湖への排水流出を厳格規制している。
過去の工場排水で蓄積した汚泥もほぼ除去し、湖水の透明度が大幅に改善された。
糸につけたコインを沈めると以前は1メートルもすると見えなくなったが、今では2・5メートルまで見える。
何局長は「生きた水に戻った西湖を杭州市民に返すことができた」と胸を張る。
水質だけではない。
市内に複数個所ある石炭火力発電所では、市独自の基準で二酸化硫黄(SO2)排出の削減率を国家基準の70%よりも厳しい90%以上としている。
そのための高度な排煙脱硫装置の設置費用は70%までが市側の補助でまかなわれるが、発電所側も30%の負担が生じる。
このほかにも国家基準や、日本の環境基準を上回る独自ルールも少なくないという。
中国の地方政府でも一歩進んだ環境政策を誇る杭州市だが、何局長はその推進に「日中間の環境技術協力が欠かせない」と話す。
何局長の肝いりでこのほど同市内で開かれた「中日水処理技術と応用技術交流会」もそうした考えの表れだ。
この交流会には旭化成ケミカルズの現地法人、旭化成分離膜装置(杭州)の技術者も招かれ、廃水処理に関する日本の高度な濾過(ろか)膜技術が紹介された。
何局長は「世界的にも日本が特に進んでいる濾過膜技術に関心を持っている。
杭州市は環境新技術の導入能力も高い」と意欲を示した。
昨年11月に中国政府が打ち出した約4兆元(約56兆円)にのぼる景気刺激策は省エネと環境保護策が重点項目のひとつ。
経済成長の軸足を「量から質」へシフトさせようとしている中国にとって、強硬なまでの環境政策と最新技術の導入が重要な国家戦略になる。
杭州市に限らず、そこに日本企業の参入チャンスがあることは疑う余地がない。
最終更新:5月29日7時56分
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